Webライターに限らずフリーランスで働く場合、「開業届」という言葉を聞いたことはありませんか?
今回は、主にWebライターなどフリーランスのための開業届の出し方を詳しく解説していきます。
開業届のメリットやデメリット、副業などの場合はどうなるのかも説明しますよ。
そして、
『開業届を出して個人事業主になっても扶養に入っていられるの?』
という「扶養内問題」も解説していきます!
開業届とは?フリーランスの出し方
開業届とは、正確には「個人事業の開業・廃業等届出書」という名称です。
これはつまり、
という宣言のようなもの。
基本的に事業所得を得ている人は、この開業届を出さなくてはなりません。
ちなみに、まだ所得がない時点でも開業届は提出できます。
開業届を出すのはとっても簡単です。
開業届の書き方
開業届は国税庁のHPでPDFファイルをダウンロードすることもできますし、個人事業者を支援しているこちらのサイト「開業フリー」などで作成できます。
ちなみに記載する内容は以下の通りです。参考までに私が記入した内容ものせておきますね。
- 所轄の納税地:申告する場所も所轄の納税地です
- 納税地:自宅の住所
- 事業所がある場合の住所
- 氏名
- 生年月日
- 個人番号(マイナンバー)
- 職業:私は「フリーランス」と記入しています
- 屋号:なくてもOK。私は未記入
- 届出の区分:開業に〇を付ける
- 所得の種類:事業所得にチェック
- 開業・廃業等日:開業した日を記入。私はそのまま届け出を出した日を記入
- 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無:「青色申告承認申請書」の項目⇒有にチェック
※青色申告をする場合 - 事業の概要:事業の内容を具体的に記入。私の場合、Webライター、エディター、アフィリエイターなどと書いています。
そのほかの項目もありますが、事業所があったり人を雇ったりする場合の項目なので、一人で自宅でひっそり始める場合は、記入しなくても大丈夫ですよ。
とまぁ、開業届自体はとっても簡単なのですが、
そもそも開業届って出さないといけないの?副業の場合はどうなの?
などと疑問に思う人もいるかもしれません。
Webライターなどフリーランスでも開業届を出さないとダメ?
先ほどもお伝えしたように、事業所得を得ている場合は開業してから1ヶ月以内に開業届を出さなければなりません。
ただし、実は開業届を出さなくても罰則などがないため、出していない人もいるのが現状です。
また、会社員の副業であれば開業届を出す必要はありません。
副業なら開業届を出さなくてもいい
会社員など給与所得がある人が副業で収入を得た場合、これは事業所得ではなく「雑所得」になります。
開業届とは「事業所得」を得ている場合に出すものなので、副業の範囲なら開業届は必要ないということです。
しかし副業のつもりでも大きな金額を稼いだ場合は、開業届を出した方が良い場合もあります(会社の就業規則などとも絡んできますが…)。
続いて、開業届のメリットとデメリットをお伝えしていきますね。
メリットとデメリット
開業届を出す一般的なメリットは以下の通りです。
- 青色申告ができる
所得から最高65万円控除できるので、税金が安くなる - 信用されやすい
事業主であると公的に宣言することで、社会的信用が生まれる - 赤字を繰り越せる
もし事業で赤字が出ても、翌年に繰り越せるので税金対策にもなる
特に青色申告をしたいなら、開業届は必須ですね。
そして社会的信用というのも大きいです。コロナの給付金などでも、開業届をだしていないフリーランスは給付金を受け取るのに苦労したようです。
会社員を辞めてフリーランスになる場合は、こちらの記事もぜひチェックしてみてくださいね。
一方デメリットは以下の通りです。
- 失業給付を打ち切られる
- 家族の扶養から外れることもある
失業給付は仕事が決まったら打ち切られますよね?
開業届を出すということは、「個人事業として働く宣言」なので、仕事が決まったと捉えられます。
そして、気になるのは2つ目のポイント「扶養から外れる」可能性ではないでしょうか?
この点について詳しく説明していきます!
開業届を出しても扶養内で働ける
開業届を出して個人事業主になっても、基本的には扶養内で働けます。
と思いますよね。実は扶養とは以下の2種類があります。
- 税金上の扶養 ⇒ 所得税・住民税
- 社会保険上の扶養 ⇒ 健康保険・年金
税金上の扶養は、所得が上がらない限り扶養から外れることはありません。
ただし社会保険上の扶養は、場合によっては個人事業主になると外れることもあるのです。
詳しく解説していきますね!
税金上の扶養範囲とは
税金上の扶養とは、所得税と住民税のことです。
たとえば妻がフリーランスで得た所得が48万円以下であれば、夫の所得税や住民税に対して控除を受けられる(38万円)ので、税金を安くできます。
ちなみに、『所得とは収入から経費を引いた額』です。
扶養者の年末調整のときに、所得が規定範囲内であれば申告をしておきましょう。
個人事業主であっても問題なく扶養内に入れますよ!
ただし、社会保険の場合は少し事情が変わります。
社会保険【健康保険・年金】上の扶養範囲とは
健康保険や年金など社会保険の扶養は、税金上の扶養とは規定が異なります。
基本的には、
社会保険の扶養は「収入130万円以下」であることが条件
です。
ただし、扶養者が加入している健康保険によって規定が違うので、注意しなければなりません。
健康保険によっては、『収入130万円以下であっても、個人事業主(=開業届を出した)はNG』という場合もあるようです。
一方、協会けんぽ(全国健康保険協会)では、収入から必要経費(仕入れなどにかかる最低限の経費)などを引いた額が130万円以下であれば良いという規定になっています。
このように社会保険の扶養に関しては、加入している健康保険の規定によっては、個人事業主になると扶養から外れてしまうこともあります。
扶養から外れると、ご自身で社会保険や年金に加入しなければならないため、注意してくださいね。
まとめ
最後に、Webライターなどフリーランス(特にお子さんがいる場合)が開業届を出すときの注意をまとめておきます。
- 開業届は、副業ではないなら出しておこう!
- 保育園や学童に入れたいなら、開業届は必須
- 開業届を出しても、既定の範囲内の所得(48万円)・収入(130万円)なら、扶養に入れる
※健康保険は組合によるので要注意
ぜひ参考にしてみてくださいね。